2017/07/07
こんにちは!育毛野郎です。今回は、ミノキシジルの副作用の話。ミノキシジルという名前を知らなくても「リアップ」の名前はご存知でしょう。「リアップ」の有効成分がミノキシジルです。
ミノキシジルは、そもそも高血圧の治療薬として開発されたものです。1979年、アップジョン社(現Johnson & Johnson社)によって高血圧症治療剤「ロニテン」が発売になりました。すると「ロニテン」の服用者に髪や体毛が濃くなる副作用?が起こったそうです。そして多毛や発毛の作用の解明を進み、ミノキシジルという成分に発毛効果があることがわかったのです。同社は、ミノキシジルを脱毛症状の治療効果を狙った外用剤として研究を進め、臨床結果を経て、1985年末にFDA(米食品医薬品局)に認可申請を行いました。
そして1988年、アップジョン社のミノキシジル外用剤「ロゲイン」は、世界で初めての発毛用の医薬品として許可されるに至ります。
さて、「ロテニン」はその後、発毛や多毛といったうれしい副作用だけでなく、狭心症発作や動悸などの心臓系の副作用が認められるようになります。ミノキシジルの血管拡張作用により心臓への血液の流れが増加し、また血圧も下がるので脳が血圧を保とうともするので、心拍出量が異常に増加します。心拍出量が多いまま一定の期間続くと、心筋が肥大し多くの酸素を消費するので酸素不足に陥り、心不全という状態になってしまいます。つまり、ミノキシジルは狭心症や動悸、不整脈が起きやすい人には要注意ということ。
その他、ミノキシジルの飲み薬には、全身の多毛、赤ら顔、低血圧、反射性高血圧、腎性全身線維症(腎不全、皮膚の硬化、関節拘縮をきたし、身体機能障害に陥る病気)、高カリウム血症、多臓器不全等の副作用が発生し、降圧剤として役目を終え、今やその目的でミノキシジル飲み薬を認可、推奨している国はありません。インターネットでミノキシジルタブレットとして販売されているものを購入する方は、医師と相談の上、使用してください。
一方、局所投与(外用剤)であれば副作用が少なくなるのではないかと開発されたのが、アメリカのミノキシジル製剤、「ロゲイン」です。大正製薬から「リアップ」が発売される前は、平行輸入などで広まりましたよね。
外用剤としてのミノキシジルの副作用としては、頭痛(血管拡張作用による)や痒み、発赤などです。よくいわれる痒みは、ミノキシジル自体や添加されているエタノール、プロピレングリコール(PG)という成分へのアレルギーが原因かもしれません。その場合は、リアッププラスやX5をお試しください。リアップにはPGが入っていますが、リアッププラスやX5はPGが含まれていません。
ただ、やはり外用剤でも頭皮を通し、血中から全身へ薬剤が流れ、動悸や胸痛などが引き起こされた例も報告されています。使い始めて違和感を覚えたら、副作用を疑って、一旦使用を中止し、医師や薬局の薬剤師へ相談すべきでしょう。